頻尿は患者様からよく訴えられます。
ここで頻尿について簡単に説明させて頂きます。
頻尿とは
通常よりも頻繁に排尿したい状態です。日中に起こることもあれば、夜間に起こることもあります(夜尿症とも言います)。具体的に以下のようなものがある
頻尿の原因
膀胱がん
膀胱がんは頻尿のまれな原因です。多くの場合、頻尿と血尿(顕微鏡的または肉眼的血尿)を伴います。通常は痛みはありませんが、排尿時に痛みを伴うこともあります
薬剤性
薬物による頻尿があります。例えば、利尿薬による尿量増加、抗精神病薬、抗パーキンソン薬による尿閉が頻尿の原因になることがあります。
間質性膀胱炎(IC)
中高年の女性に多いとされており、膀胱の圧迫感、痛み、頻尿を引き起こします。診断するのにアンケートや尿検査、排尿日誌、膀胱鏡所見などが必要です。
過活動膀胱
過活動膀胱は膀胱に十分な尿が溜まっていないにもかかわらず、頻繁に排尿したくなる病気です 。過活動膀胱は尿漏れ(失禁)を伴う場合と伴わない場合があります。神経障害が原因の場合もありますが、多くの場合は原因不明です。
前立腺疾患
前立腺肥大症、がん、前立腺炎(前立腺の炎症)などの前立腺疾患では尿道の流れが悪くなり、排尿後も膀胱内に尿が残る状態となります。膀胱内に残尿があると、結果的に尿を溜められる膀胱のスペースが減少するために、1回の排尿量は少なく、何回もトイレに行くようになります。
尿路感染症 尿路感染症では排尿後も尿意を感じる場合があります。その他の症状として排尿時痛、発熱、尿の濁りや血尿などがあります。尿路感染症は女性に多くみられます。
神経疾患
脳卒中やパーキンソン病などの疾患では膀胱を制御する神経が損傷され、下部尿路症状を起こすことがあります。
薬剤性
薬物による頻尿があります。例えば、利尿薬による尿量増加、抗精神病薬、抗パーキンソン薬による尿閉が頻尿の原因になることがあります。
間質性膀胱炎(IC)
中高年の女性に多いとされており、膀胱の圧迫感、痛み、頻尿を引き起こします。診断するのにアンケートや尿検査、排尿日誌、膀胱鏡所見などが必要です。
放射線治療
骨盤への放射線照射の副作用として頻尿が知られています。放射線が膀胱や尿路を刺激することによって頻尿症状を誘発することがあります。
膀胱がん
膀胱がんは頻尿のまれな原因です。多くの場合、頻尿と血尿(顕微鏡的または肉眼的血尿)を伴います。通常は痛みはありませんが、排尿時に痛みを伴うこともあります
代謝性疾患
糖尿病、尿崩症では多尿、頻尿の症状が現れることがあります。
食事
アルコールとカフェイン(緑茶、コーヒー)は利尿作用があり、多量摂取は多尿や頻尿の原因になります。そのほかに塩分、唐辛子などの香辛料、チョコレートの摂取も頻尿の原因として報告されています。
その他
膀胱脱、尿道狭窄、糖尿病、尿崩症不安、不眠症、妊娠、性感染症、尿路結石、膀胱憩室、便秘なども原因になり得るが、原因不明な場合もあります。
頻尿の対処と治療
頻尿に対処するには、まず基礎疾患の治療を行うこと(例えば、糖尿病のコントロール、抗生物質による尿路感染症の治療など)。
過活動膀胱の場合、抗コリン薬(オキシブチニンなど)またはβ-3アドレナリン受容体作動薬(ミラベグロンなど)、ボトックス注射などの薬物療法が有効です。
また、生活指導(食事など)、骨盤底を強化するためのケーゲル運動、水分摂取量モニタリング、膀胱トレーニングなどの行動療法も重要です。
膀胱トレーニングは、厳密な排尿スケジュールを守り、膀胱を空にするまでの時間を長くすることを必要とします。膀胱トレーニングの目的は、排尿までの時間と膀胱の水分量を増やすことです10 。
間質性膀胱炎には完治できる治療法はありませんが、膀胱拡張、膀胱内注入、内服薬、膀胱トレーニング、食事やライフスタイルの是正など、症状を緩和する治療法があります。
<理学療法・行動訓練>
行動訓練などの非薬物介入の効果も報告されています。
具体的に以下のような方法があります。
<ケーゲル体操>。
骨盤底筋とは文字通り骨盤を底から支える筋肉群で、肛門括約筋や肛門挙筋などで構成され、排尿や排便に影響を与えると言われます。これらの筋肉を鍛えることで排泄障害の種々の症状を改善させることができます。
トイレに行って膀胱を空にしてから行う。
仰向けになって膝を楽な状態に曲げてください。
骨盤底筋を意識しながら肛門を締める。
3-5秒筋肉の収縮を維持し、その後3-5秒リラックスする(最大それぞれ10秒まで可)。
上記の動作を繰り返し10回を1セット、1日3セットを行う
この運動は骨盤と尿道の筋肉を強化し、排尿や膀胱機能の改善をサポートします。効果を得るためには、少なくとも4~8週間、1日3回、1セットにつき10~20回のケーゲル運動を行います。
バイオフィードバック
腹圧性尿失禁や切迫性尿失禁で有用性が報告されており、ケーゲル体操とバイオフィードバック療法を組み合わせて行う。
膀胱トレーニング
切迫性尿失禁に効果があるとされ、尿をより長く保持することで膀胱を鍛えます。
*尿路感染症、膀胱ガン、尿管結石、間質性膀胱炎などの疾患が隠れている場合もあるので、まず医師に相談してください。
<方法>
記録する。1~2日の間、日中の排尿や尿漏れの回数を記録しましょう。
計算する。日中の排尿の間隔は、平均して何時間ですか?
間隔を決める。あなたの典型的な排尿間隔に基づいて、トレーニングの開始間隔を15分長くしてください。通常の排尿間隔が1時間の場合、開始間隔を1時間15分にします。
我慢する。トレーニングを開始したら、朝一番に膀胱を空にし、設定した間隔になるまで空にしないようにしましょう。尿意を感じる前に時間が来てしまった場合は、とりあえず行ってみましょう。尿意が先に来てしまった場合は、膀胱が実際には満杯ではないことを思い出し、できる限りのテクニックを駆使して尿意を遅らせるようにします。ケジェルと呼ばれる骨盤底筋運動を行ったり、トイレまでゆっくり歩いて行くのを5分ほど待ってみましょう。
間隔を長くする。自分の設定した間隔に慣れてきたら、15分ずつ間隔を延ばしていきましょう。数週間から数ヶ月の間に、より長い時間待つことができるようになり、切迫感や切迫性のある失禁のエピソードがはるかに少なくなることに気づくでしょう。
排尿日誌
水分摂取量、種類(コーヒーやアルコール)、排尿の時間や量を記録することで自分の排尿パターンの理解に役たち、頻尿の診断のヒントとなる場合も。
頻尿の主な原因は、特定の時間帯に大量に飲むことであることがわかります。