循環器疾患

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS:sleep apnea syndrome)は睡眠関連呼吸障害のひとつであり,上気道の部分的または完全閉塞による閉塞性呼吸イベントを主体とする閉塞性SAS(OSAS)と,心不全や脳血管障害など中枢性機序の関与により呼吸努力の一過性停止による中枢性呼吸イベントを主体とする中枢性SAS(CSAS)があります。

睡眠時無呼吸症候群の症状

OSASでは,反復する動脈血酸素飽和度低下と覚醒反応による睡眠の分断化がみられ,不眠,睡眠中の窒息感の他に,夜間頻尿,日中の眠気や倦怠感,抑うつ,起床時頭痛など様々な症状を引き起こす. 一般人口における有病率に関して、無呼吸低呼吸指数(AHI)5以上は男性 24%、女性9%と報告している論文もあり、基本的に男性に多い傾向がみられています。

睡眠時無呼吸症候群の原因

OSASの発症には肥満、加齢、顎顔面形態異常(小下顎、下顎後退)、耳鼻科的要因(狭咽頭腔、長口蓋垂、扁桃肥大)なども関連しています。日本人では欧米に比べて、肥満の割合は低いですが、SASの有病率は欧米と同等に高く、体重増加に対する上気道の脆弱性や顎顔面形態異常の関与が考えられています。
OSASは高血圧,糖尿病,肥満,心血管疾患や脳血管障害のリスクとされており、中等症以上のOSASは脳血管障害の独立した危険因子ともいわれています。

医師
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高齢者においても重症OSAS(AHI30)は脳血管障害の独立した危険因子とされています。

睡眠時無呼吸症候群の治療

まず、睡眠ポリグラフ(PSG)検査が必須にて確定診断が必要です。
AHI 20以上の場合経鼻的持続陽圧呼吸(nasal continuous positive airway pressure:nCPAP)療法が第1選択となりますが、軽~中等症例(5<AHI<20)では口腔内装置(oral appliance:OA)、体位依存性に呼吸イベントがみられる場合は側臥位就寝で改善されることもあります。

医師
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CPAP治療により心血管疾患による死亡率の低下し、高次脳機能の改善も期待されます。心当たりがあれば症状放置せずに積極的な検査と治療をおすすめします。