がんは体のどこかに生じた細胞が異常に増える病気です。
そして、その病気が引き起こす痛みは、がん患者さんの生活を大きく左右します。
でも、ご安心してください。適切な治療とケアによって、その痛みは必ずや管理できます。
まず、がんの痛みはどこから来るのでしょうか。
それは、がん細胞が体の組織や神経を圧迫したり、侵害したりすることで引き起こされます。
また、がんの治療自体、例えば手術や放射線治療も、時には痛みを引き起こすことがあります。
では、どうすればがんの痛みを軽減できるのでしょうか。それには6つのアプローチがあります。
癌の疼痛治療
鎮痛薬の使用
疼痛治療の基本的な方法は、鎮痛薬の使用です。この領域では、WHOのガイドラインを参考にして、非オピオイド鎮痛薬やオピオイドを使用します。非オピオイド鎮痛薬には、アセトアミノフェンやNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)があり、軽度から中等度の痛みに対して効果的です。一方、強い痛みに対しては、コデインやモルヒネ、ヒドロモルフォン、オキシコドン、フェンタニル、メサドンなどのオピオイドが有効です。これらの薬を適切に使用することで、痛みを大幅に軽減することが可能です。
これらの薬は強力な痛みを和らげる力を持っていますが、便秘や吐き気、眠気などの副作用もあります。でも、心配はいりません。これらの副作用は、適切な対策を講じることで、十分に管理することができます。
総合的な疼痛管理
疼痛管理では、鎮痛薬だけでなく、患者さん一人一人の状況を考慮した総合的なアプローチが重要となります。痛みの評価、治療計画の設定、そして患者さん自身の治療への参加を促す方法などを通じて、全面的なサポートを提供します。
非薬物療法
薬物療法だけでなく、リラクゼーション、マインドフルネス、ヨガ、鍼灸、マッサージなどの非薬物療法も癌の疼痛治療に大いに役立ちます。これらの方法は、身体的な痛みだけでなく、精神的なストレスや不安を軽減し、全体的に心身と社会的な健康を向上させるのに役立ちます。
放射線治療
特に、骨転移による痛みの治療には、放射線治療が有効です。単回外照射(EBRT)や再照射が推奨されており、早期診断と迅速な治療が予後に大きく影響します。
ビスホスホネートと標的治療
ビスホスホネートは骨転移に対する治療法であり、予後良好ながん患者に対して使用されます。また、ラジウム-223は、去勢抵抗性前立腺がん患者に対して痛みを軽減し、生存率を改善する効果があります。
インターベンション治療
神経ブロックや神経切断術などのインターベンション治療も、突出痛のマネジメントに役立つ手法となります。これらは手術的な手法ですが、特定の痛みに対する効果が期待できます。
上記の6つのアプローチは患者さんの痛みの程度、癌の種類、全体的な健康状態などに応じて組み合わせて使用されます。
最も重要なことは一人一人の患者さんに合わせたアプローチです。
その他にも注意点
痛みの管理は薬だけでなく、自分自身の理解と対処能力も大切です。
患者さんと医療チームとの良好なコミュニケーションを保つことで、自分の痛みを正確に伝え、適切な治療にも繋がります。
また、患者自分の病状を理解することも大切です。
医療チームからの情報提供や教育・指導を通じて、痛みの原因や治療の選択肢、自己管理の方法を学ぶことができます。
がんの痛み管理は、医師だけでなく、看護師や薬剤師、心理カウンセラーなど、多職種の専門家によるチームアプローチが必要です。チームアプローチで痛みとそれに伴う問題を全面的に把握し、最適な治療計画を立てることができます。
がんの痛みは、時には我慢できないほど強いものかもしれません。しかし、適切な疼痛管理により、その痛みは必ずや軽減できます。そして、それを支えるのが、患者さんを取り巻く医療チームがいます。
疼痛は生活の質を悪くするだけでなく、心にも大きな影響を与えます。
適切な対策と専門的な治療を通じて、その痛みは必ず和らぎます。
癌の疼痛治療は患者さんの生活の質を改善し、癌と共に生きる日々をより快適にするための重要なステップです。
そのために、私たちひかりクリニックは患者さんの痛みを和らげ、痛みが引き起こす不快感や不安を最小限に抑えることを目指しています。
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